名古山霊苑は、姫路城の西方1キロメートルのところにあって、なだらかな丘陵の上に位置しています。その中央にそびえるドーム型の仏舎利塔のなかには、インドの故ネール首相から1954年に、人類永遠の平和と幸福の祈願をこめて贈られた仏舎利(仏陀の灰)を納めた厨子の仏舎利殿があります。
仏舎利塔内部には、天蓋の周囲に浮かぶ鳳凰と雲中観音、そして釈迦三尊と十大弟子の立像がならび、その下にモザイク仕上げ [ 1 ] [ 2 ] による釈尊一代図画壁面一帯にかかれています。さらに、下段にはわが国に仏教を広めた各宗派開祖 [ 1 ] [ 2 ] [ 3 ] の座像と、日光・月光両菩薩の写実的な立像が安置され、大小無数に垂れかがやく瓔珞や灯明香華など豪華絢爛のなかに幽玄壮厳の気がただよい、自ずから合掌の心を誘います。
仏舎利塔と同じドーム型の石仏堂や納骨堂、それに香炉堂などの堂塔が建ちならんでいます。また、噴泉園地をめぐって四季自然の彩りに富む樹木や草花が植えられ、憩いの場にもなっています。
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山麗にかけては、明治元年の戌辰の役以来の戦没殉難の英霊11万1千余柱をまつる軍人墓地をはじめ、先人祖霊の鎮まる一大墓苑となって、参詣、逍遥、観光など訪れる人が絶えません。